矯正歯科医の捉え方は、『歯は動く』というところに集約されます。
『咬合は生体とともに変化する流動的なもの』
歯に被せるものの治療を主体に行なう「補綴科」の先生方は『歯は動かない』という観点がベースにあるような気がします。私は、様々な習慣、加齢、機能の変化などが噛み合せを変化させると思っていますし、また噛み合せを調整する事が機能を変化させる場合もあると言う考え方です。
臨床においては、矯正歯科医としての視点がいつもベースにあります。
そうですね。やっぱり、治療をしていて、患者さんが「治ってよかった」と言ってくださるのが一番嬉しい事なのですが、この前、痛いのを
「忘 れ て い ま し た」
と言われたときはとても嬉しかったですね。ずっと続いていて気に病んでいた顎や喉の痛み、頭痛、耳の痛みなどがすっかり気にならなくなってしまったと言う事です。
この方は、耳や喉にも痛みがあったため、最初は耳鼻科、そこから紹介で口腔外科、最後に噛み合わせではないかと言われて林歯科に来院されました。
顎関節症の症状は、顎の関節だけではなく、耳の痛み、喉の痛み、頭痛などの症状と拡がっていくため、どこを受診していいかわからないということがあるようですね。いろんな所を回った後に、歯医者さんにいらっしゃる。
見てすぐ、噛み合わせのずれによる顎のずれが原因という事がわかりました。急いで顎関節症の治療用プレートを使っていただいたところ、約一週間で頭痛がなくなり、一ヶ月後には長く辛かった症状が気にならなくなったようです。
プレートを入れているときは、体のぶれも少なくなっているのが、重心動揺計(グラビコーダー)で分かりました。
この方はたまたま林歯科に来院されたわけですが、私がここ数年取り組んでいる咬合治療が、症状の改善につながり、勉強してきてよかったと思いました。
嬉しかったですね。
これからずれた噛み合わせをきちんと治して行くのには期間がかかりますが、少しずつ顎が楽な位置に修正し、食事が楽しみな生活を送れればいいなと考えています