歯科医師臨床研修: 2011年5月アーカイブ

歯科医師臨床研修開始から1ヶ月半が過ぎました。

先週は、より精密な歯科治療を行うためにHIT印象と言う歯の型をとる方法をマスターしてもらいました。

I先生はとても器用な人で、既に普通の歯の治療、冠を入れるための治療やブリッジの治療も難なくこなせるようになっています。次の段階として、歯の型とりを精密に行う方法や噛み合わせの状態をしっかりとる方法をマスターしてもらいたいと思います。

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そこで、院長について、形成の終わった歯の型とりについて書籍で勉強した後、実地の診療に入ります。少し時間はかかりましたが、とてもきれいな型とりができました。

よい技工物を作って、患者さんの口腔内で機能させるためには全てのステップをしっかり行って行く事が必要です。
林歯科では、臨床研修のプログラムの一環として、タイポドントという実習を取り入れています。
これは、歯列矯正の治療をシミュレーションするもので、パラフィンワックスで作った歯茎に熱伝導性の高い金属の歯を植えて治療が必要な歯並びを再現して、治療して行く実習です。

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上の写真は、タイポドント実習の様子です。

一番左側が、「叢生」という状態で、永久歯を4本抜歯してスペースを作ったと言う前提です。
その右側が、弾力性のある直径0.175インチの「レスポンド」というワイヤーを入れる第一段階で、歯の上下の位置をある程度揃えます。これをレベリングと言います。
つぎが、直径0.16インチのワイヤーで、歯をだいたいのところまで並べています。
一番右側では、断面が四角いワイヤーで1辺0.16インチのもので、歯の傾きをコントロールしながら並べる段階です。

このあと、上下、前後の位置関係を調整し、抜歯したスペースを利用して凸凹をなくし、きれいなアーチにして噛み合わせを確立して行きます。

この実習では、ワイヤーの力でどのように歯が動くかを体感し、大学で学んだ矯正治療の知識を実際の臨床に使えるものにして行く事を目指しています。
2011年度の歯科医師臨床研修は、5月23日から第6週に入りました。
ここまでで、実習項目で残っているものが、既にスタートしたタイポドントと、歯周外科実習・総義歯実習だけです。

先週から取り組んでいる矯正の実習でワイヤーベンディングのトレーニングを終え、19日からタイポドント実習に取り組んでいますが、実習で学んだ事は下の図のような形ですぐに臨床研修に取り入れて行きます。

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教科書に載っているMEAWのスタンダードな形態(図の中上)を確認して、患者さんの口腔内でワイヤーを調整して行きます(図左)。
できあがったワイヤーは、Lループが並んだこのような複雑な形態(図の中下)になります。
これを、セットして(図右)、次回まで歯が動くのを待ちます。

矯正の実習に入ってから10日足らずでここまで到達できるとは、はっきり言って『すごい!』と思います。


今年度前半の臨床研修は、今までに無いほどのスピードで進んでいて、
先週中に根管治療〜根管充填(神経をとった後の治療)の実習を終了し、
今週から矯正の実習に入ったのですが...

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三日でワイヤーベンディングの実習終了です。
これは、矯正治療に使うワイヤーを曲げるためのトレーニングで、このワイヤーの曲げによって歯の移動をコントロールするためのものです。

ワイヤーベンドが終わったので、今日からはタイポドント実習に入ります。

これは、ワックスで歯茎の形を作った上に、根の形まで再現した金属の歯の模型を並べて矯正治療をシミュレーションして行くトレーニングです。ワイヤーをセットした後は、温水に浸してワックスを軟化すると、自然に歯がワイヤーでコントロールした方向に移動します。









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5月にタイポドントをスタートするのは、林歯科でも初めてです。
去年は実習期間中にタイポドントによる矯正を終了できた研修医がいなかったのですが、早期コンプリートで来そうな予感です。
昨夜も、札幌からの友人一名(スカイプ)も加えて、林歯科の症例分析3症例、札幌の友人の症例1症例、さらに研修医のI先生の資料の分析ともりだくさんなゴールデンウィーク開けでした。

さて。

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上の写真は、キャディアックスという「顎運動解析装置」の検査結果を検討しているところです。

顎を動かす様子を三次元的に記録し、このような顎のアニメーションでモニターで観察する事が出来ます。さらに、このデータを用いて咬合器というものに歯並びの模型をセットする事で、その人個人の顎の動きをあらゆる方向から細部まで見る事が出来るようになります。

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今回、林歯科の症例の中に、「顎が痛い」ということで来院され、
この検査を受けた方がいらしたため、通常の資料に加えこの検査結果の分析も行いました。

しかし、Skypeでこれを伝える事が難しいので、左の写真のように、ノートパソコンを二つ向かい合わせに置いて説明してみました。
なんだか、変なところがアナログです。





Skypeにはずっとお世話になっているのですが、マイクロソフトに買収されるそうで、今後どうなるのかしらとちょっと心配です。
今日は、研修医のI先生に午後から訪問診療に帯同してもらいました。

初めてご家庭や介護施設に歯の治療のためにうかがうと、歯科医療にこのような需要があるのかと驚く人がほとんどです。そこには、元気に歯科医院に通ってくる事が出来る方とはちがう歯科への需要が存在します。
林歯科医院では、平成10年から訪問診療に取り組んできましたが、研修にみえる先生方には必ず訪問診療も見学してもらっています。

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I先生は、初めての訪問診療でしたが、検診などの手伝いをスムーズに行い、米田先生も「感心した」と言っていました。
これから、週に一回程度訪問診療の研修も行って行く予定です。



北大歯学部で主催している北海道歯学会という学会があります。
北大の歯学部で学位を取るときは、ここで発表をするのがならいになっています。院長も博士論文のときはここで発表をしました。

今日、5月の歯学会の講演抄録兼プログラムが届いたので、中をのぞいてみました。
12月は学位の発表が集中するので演題が多くなりますが、春はそれほどでもありません。

その中で、一人で3つも演題を出している人がいて、

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一昨年、林歯科で研修をされていたH先生こと長谷川智佳先生でした。
現在臨床の講座にも席を置きながら、大学院生として硬組織発生生物学教室で基礎の研究に打ち込んでおり、大学院の1年目の去年から学会発表をしているとは聞いていましたが、こんなにがんばっているとは。

院長も大喜びでした。
今年の北大病院からの歯科医臨床研修がスタートして2週間経ちました。

実習・見学・臨床・学習のいずれも、プログラム通り、または少し予定を上回るペースで進行中です。器用な人なので、足踏みをさせずに、実習を早め早めに進めて早く臨床の時間を増やしたいと思います。

写真は今日の実習と臨床の様子です。

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午前中は研修医トレーニング用ブースで実習を、午後からは院長について見学と臨床に取り組んでいます。

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