旭川市・林歯科医院が、口腔ケア部門を設立してから、まもなく5年になります。
当初は、回りに口腔ケアに取り組んでいる人も見つからず、指導してくれる人とてなく、本で学び、講習会で学び、そこで知り合った方に教わり、そして、なにより患者さんに教わって、少しずつ林歯科医院の口腔ケアのスタイルが確立しました。
現在、新卒で入ってきた歯科衛生士は、まず診療室内で基本的な歯科衛生業務とアシスタントをマスターし、それから訪問診療のアシスタント業務につきます。この訪問診療のアシスタントをしながら、帯同する歯科医師の指示で、患者さんの口腔衛生指導を行なうのが口腔ケアへの第一歩です。
この時点では、実は、歯科衛生士学校ではほとんど口腔ケアの手法の実際については学んでいない状態です。が、それにもまして、口腔ケアに入るときの大きな壁は「におい」です。今でも口腔ケア院内講習のときに、斉藤歯科衛生士がスライドを見せながら笑いますが、私自身、初めて施設の方の口の中を見るとき、その「におい」には圧倒され、涙目になりました。一方では、口腔ケアが施設に受け入れられる第一歩はこの「におい」の消失なのですが、その話はまた次の機会にいたしましょう。
この壁を乗り越えて、2年目の歯科衛生士は、院内業務と訪問診療業務に携わりながら、口腔衛生管理・指導のスキルを身につけます。
そして、いよいよ3年目。
口腔ケア班に週に一回参加し、口腔ケア業務を学びます。はじめは、先輩と一緒に二人で一人の患者さんのケアを行ない、次第に難易度の低い症例を引き継いで担当して行きます。
まもなく4年目になる歯科衛生士であっても、まだまだ難易度の高い方の口腔ケアを一人で行なう事は困難です。歯科衛生士としてのスキル以外に、様々な知識と人生経験が求められる職場だからです。このように一人の新卒歯科衛生士が、一人前の口腔ケア技術を身につけるまでには、様々な面での成長の時間が必要です。
ですから、反対に、歯科衛生士としての熟練を経た後職場からはなれ、家庭に入り地域の中で様々な人生経験を重ねた方が、その人間としてのスキルを生かせる職場でもあります。口腔ケアの業務のトレーニングを受けて、これまでに数名の方が歯科衛生士として職場復帰を果たされています。
林歯科医院は、これからの高齢化社会の中で、きっと求められるであろう口腔ケアの技術をもった歯科衛生士の育成にこれからも努めてまいります。

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